助動詞は、英語の文法において非常に重要な役割を果たします。
主動詞の前に置かれることで、動詞の意味に追加の情報を付加し、文の意味を細かく調整することができます。
助動詞は、可能性、義務、意図、許可、推量、依頼など、様々なニュアンスを表現するために使われます。
この章では、各助動詞の基本的な使い方とそのニュアンスを詳しく解説し、実際の例文を通じて理解を深めていきます。
助動詞の使い方をマスターすることで、より自然で正確な英語表現が可能となり、コミュニケーション力が一層向上することでしょう。
当サイトではEverGreenに準拠して記事を作成しております。
助動詞とは?
助動詞(auxiliary verbsまたはmodals)は、主動詞の前に置かれて動詞の意味を補助し、文に追加の意味やニュアンスを付け加える役割を果たします。
助動詞は動詞の時間・可能性・義務・許可・意図・推量など、さまざまな意味合いを表現するために使われます。
なぜ助動詞があるのか?
助動詞が存在する理由は、英語での表現力を豊かにするためです。
主動詞だけでは表現しきれない意味やニュアンスを助動詞が補完することで、より正確で微妙な意味を伝えることができるようになります。
- I go to the gym.(私はジムに行く。)
- これは単なる事実を述べている文です。
- I can go to the gym.(私はジムに行くことができる。)
- 助動詞「can」が動詞「go」の前に置かれることで、「行くことができる」という可能性を示しています。
- I must go to the gym.(私はジムに行かなければならない。)
- 助動詞「must」が動詞「go」の前に置かれることで、「行かなければならない」という義務を示しています。
助動詞の使い分けについて
じつは、助動詞には1つ1つ基本イメージというものがあり、そこからさまざまな意味が生まれています。
そのため、1つ1つイメージがあるためお互いに「縄張り」があるため、似たような表現が複数ある場合は使い分ける必要があります。
たとえば自宅に遊びに来た友達が帰宅した場合を考えてみよう。
- My friend should be home in the afternoon.
- 午後には私の友達は帰宅しているだろう。
- My friend must be home in the afternoon.
- 午後には私の友達は帰宅しているにちがいない。
いずれの文章も帰宅したことを表現しているが、前者は「帰宅してるんだろうなぁ」という含みがあり、後者は「間違いなく帰宅している」ということを伝えています。
このように場面や意味に応じた使い分けを確認する必要があるのが助動詞です。
いかでは助動詞の種類について解説していきます。
助動詞:Shall
Shall は、英語の助動詞の一つで、主に提案、意志、約束、未来の行動を表現するために使われます。
Shall は、特に第一人称(I, We)と共に使用されることが多く、フォーマルな状況や法律的な文書で頻繁に見られます。
基本的な構造は 主語 + shall + 動詞の原形
で表現されます。
Shallが表現できる意味
- 提案: 何かをする提案を示します。
- 意志: 何かをする意志や決意を示します。
- 約束: 何かをする約束を示します。
- 未来の行動: 未来に行われる行動を示します。
Shallの使い方
肯定文での使い方
Shall を使った肯定文は、提案、意志、約束、未来の行動を示す場合に使用されます。
- I shall return by evening.(私は夕方までに戻るつもりです。)
- 意志を示しています。
- We shall overcome this challenge.(私たちはこの挑戦を乗り越えるつもりです。)
- 意志を示しています。
- The contract shall be signed tomorrow.(契約は明日署名される予定です。)
- 未来の行動を示しています。
- You shall receive your order within a week.(注文は一週間以内に届く予定です。)
- 約束を示しています。
否定文での使い方
Shall の否定形は shall not または縮約形の shan’t で表現されます。
何かをしない未来の行動や意志を示します。
- I shall not be late.(私は遅れません。)
- 意志の否定を示しています。
- We shall not fail.(私たちは失敗しません。)
- 意志の否定を示しています。
- The delivery shall not be delayed.(配達は遅れません。)
- 未来の行動の否定を示しています。
- You shall not enter this area.(この区域に立ち入ってはいけません。)
- 約束の否定を示しています。
疑問文での使い方
Shall を使った疑問文は、提案や意志を尋ねる場合に使用されます。
- Q: Shall we go for a walk?(散歩に行きましょうか?)
- A: Yes, let’s go.(はい、行きましょう。)
- A: No, let’s stay here.(いいえ、ここにいましょう。)
- Q: Shall I open the window?(窓を開けましょうか?)
- A: Yes, please.(はい、お願いします。)
- A: No, thank you.(いいえ、結構です。)
- Q: Shall we start the meeting now?(今、会議を始めましょうか?)
- A: Yes, let’s start.(はい、始めましょう。)
- A: No, let’s wait a bit.(いいえ、少し待ちましょう。)
- Q: Shall he join us for dinner?(彼は夕食に参加しますか?)
- A: Yes, he shall.(はい、参加します。)
- A: No, he shan’t.(いいえ、参加しません。)
Shallを使った慣用表現
- Shall we: ~しましょうか?
- Shall we dance?(踊りましょうか?)
- Shall I: ~しましょうか?
- Shall I help you with that?(それを手伝いましょうか?)
- You shall: ~することになるでしょう
- You shall be rewarded for your efforts.(あなたの努力は報われるでしょう。)
- Shall not: ~してはいけない
- You shall not pass!(通してはならない!)
- Shall be: ~になるでしょう
- The results shall be announced tomorrow.(結果は明日発表されるでしょう。)
助動詞フレーズ:Used to
Used to は、英語の助動詞フレーズの一つで、主に過去に習慣的に行われていた行動や、過去の状態を表現するために使われます。
現在は行われていないことや、過去と現在の違いを強調する場合に使用されます。
基本的な構造は 主語 + used to + 動詞の原形
で表現されます。
Used toが表現できる意味
- 過去の習慣: 過去に定期的に行われていた行動を示します。
- 過去の状態: 過去に存在していた状態や状況を示します。
Used toの使い方
肯定文での使い方
Used to を使った肯定文は、過去の習慣や状態を示す場合に使用されます。
- I used to play the piano.(私はピアノを弾いていたものだ。)
- 過去の習慣を示しています。
- She used to live in New York.(彼女はニューヨークに住んでいた。)
- 過去の状態を示しています。
- We used to go to the beach every summer.(私たちは毎年夏にビーチに行っていた。)
- 過去の習慣を示しています。
- He used to be very shy.(彼はとても恥ずかしがり屋だった。)
- 過去の状態を示しています。
否定文での使い方
Used to の否定形は did not use to または didn’t use to で表現されます。過去に習慣的に行われていなかった行動や、過去に存在していなかった状態を示します。
- I didn’t use to like vegetables.(私は野菜が好きではなかった。)
- 過去の習慣の否定を示しています。
- She did not use to travel much.(彼女はあまり旅行をしなかった。)
- 過去の習慣の否定を示しています。
- We didn’t use to have a car.(私たちは車を持っていなかった。)
- 過去の状態の否定を示しています。
- He did not use to be so talkative.(彼はそんなに話好きではなかった。)
- 過去の状態の否定を示しています。
疑問文での使い方
Used to を使った疑問文は、過去の習慣や状態を尋ねる場合に使用されます。
- Q: Did you use to play basketball?(あなたはバスケットボールをしていましたか?)
- A: Yes, I used to.(はい、していました。)
- A: No, I didn’t.(いいえ、していませんでした。)
- Q: Did she use to work here?(彼女はここで働いていましたか?)
- A: Yes, she used to.(はい、働いていました。)
- A: No, she didn’t.(いいえ、働いていませんでした。)
- Q: Did they use to go to the same school?(彼らは同じ学校に通っていましたか?)
- A: Yes, they used to.(はい、通っていました。)
- A: No, they didn’t.(いいえ、通っていませんでした。)
- Q: Did we use to have meetings on Fridays?(私たちは金曜日に会議をしていましたか?)
- A: Yes, we used to.(はい、していました。)
- A: No, we didn’t.(いいえ、していませんでした。)
Used toを使った慣用表現
- Get used to: ~に慣れる
- I am getting used to my new job.(新しい仕事に慣れてきています。)
- Be used to: ~に慣れている
- She is used to waking up early.(彼女は早起きに慣れています。)
- Used to be: 以前は~だった
- He used to be a teacher.(彼は以前教師だった。)
- Used to do: 以前は~していた
- They used to go camping every summer.(彼らは毎年夏にキャンプに行っていた。)
- Not used to: ~に慣れていない
- We are not used to the cold weather.(私たちは寒い天気に慣れていない。)
助動詞としてのNeed
Need は、否定文や疑問文で助動詞として使われ、意味は「~する必要がある(ない)」を示します。
助動詞として使われる場合、後に動詞の原形が続きます。
肯定文での使い方
通常、肯定文では need は助動詞としては使用されません。代わりに、通常の動詞として使われます。
- You need to finish your homework.(あなたは宿題を終わらせる必要があります。)
- 通常の動詞として使用されています。
否定文での使い方
助動詞としての need は、否定文で「~する必要がない」という意味を示します。
この場合、後に動詞の原形が続きます。
- You need not worry about it.(それについて心配する必要はありません。)
- She need not come if she doesn’t want to.(彼女が来たくなければ来る必要はありません。)
疑問文での使い方
助動詞としての need は、疑問文で「~する必要がありますか?」という意味を示します。
この場合、後に動詞の原形が続きます。
- Need I finish this today?(今日これを終わらせる必要がありますか?)
- Need we bring anything to the meeting?(会議に何か持っていく必要がありますか?)
通常の動詞としてのNeed
一方、通常の動詞として使用される場合、need は to + 動詞の原形 の形を取ります。
肯定文での使い方
通常の動詞としての need は、肯定文で「~する必要がある」という意味を示します。
- I need to call my friend.(友達に電話する必要があります。)
- They need to submit the report by Friday.(彼らは金曜日までにレポートを提出する必要があります。)
否定文での使い方
通常の動詞としての need は、否定文で「~する必要がない」という意味を示します。この場合、don’t/doesn’t を使います。
- You don’t need to worry about it.(それについて心配する必要はありません。)
- She doesn’t need to come if she doesn’t want to.(彼女が来たくなければ来る必要はありません。)
疑問文での使い方
通常の動詞としての need は、疑問文で「~する必要がありますか?」という意味を示します。この場合、do/does を使います。
- Do I need to finish this today?(今日これを終わらせる必要がありますか?)
- Do we need to bring anything to the meeting?(会議に何か持っていく必要がありますか?)
まとめ
助動詞について解説してきました。