第19章:助動詞を学ぶ③

助動詞は、英語の文法において非常に重要な役割を果たします。

主動詞の前に置かれることで、動詞の意味に追加の情報を付加し、文の意味を細かく調整することができます。

助動詞は、可能性、義務、意図、許可、推量、依頼など、様々なニュアンスを表現するために使われます。

この章では、各助動詞の基本的な使い方とそのニュアンスを詳しく解説し、実際の例文を通じて理解を深めていきます。

助動詞の使い方をマスターすることで、より自然で正確な英語表現が可能となり、コミュニケーション力が一層向上することでしょう。

当サイトではEverGreenに準拠して記事を作成しております。

助動詞とは?

助動詞(auxiliary verbsまたはmodals)は、主動詞の前に置かれて動詞の意味を補助し、文に追加の意味やニュアンスを付け加える役割を果たします。

助動詞は動詞の時間・可能性・義務・許可・意図・推量など、さまざまな意味合いを表現するために使われます。

なぜ助動詞があるのか?

助動詞が存在する理由は、英語での表現力を豊かにするためです。

主動詞だけでは表現しきれない意味やニュアンスを助動詞が補完することで、より正確で微妙な意味を伝えることができるようになります。

例文

  • I go to the gym.(私はジムに行く。)
    • これは単なる事実を述べている文です。
  • I can go to the gym.(私はジムに行くことができる。)
    • 助動詞「can」が動詞「go」の前に置かれることで、「行くことができる」という可能性を示しています。
  • I must go to the gym.(私はジムに行かなければならない。)
    • 助動詞「must」が動詞「go」の前に置かれることで、「行かなければならない」という義務を示しています。

助動詞の使い分けについて

じつは、助動詞には1つ1つ基本イメージというものがあり、そこからさまざまな意味が生まれています。

そのため、1つ1つイメージがあるためお互いに「縄張り」があるため、似たような表現が複数ある場合は使い分ける必要があります。

たとえば自宅に遊びに来た友達が帰宅した場合を考えてみよう。

例文

  • My friend should be home in the afternoon.

    • 午後には私の友達は帰宅しているだろう。
  • My friend must be home in the afternoon.
    • 午後には私の友達は帰宅しているにちがいない。

いずれの文章も帰宅したことを表現しているが、前者は「帰宅してるんだろうなぁ」という含みがあり、後者は「間違いなく帰宅している」ということを伝えています。

このように場面や意味に応じた使い分けを確認する必要があるのが助動詞です。

いかでは助動詞の種類について解説していきます。

助動詞:Will

Will は、英語の助動詞の一つで、主に未来の行動、意図、意思、予測、約束を表現するために使われます。

未来の出来事や予定を述べる際に非常に一般的に使用されます。

基本的な構造は 主語 + will + 動詞の原形 で表現されます。

Willが表現できる意味

  • 未来の行動: 未来に起こる行動や出来事を示します。
  • 意図・意思: 何かをする意志や計画を示します。
  • 予測: 未来についての予測を示します。
  • 約束: 何かをすることの約束を示します。

Willの使い方

肯定文での使い方

Will を使った肯定文は、未来の行動、意図、意思、予測、約束を示す場合に使用されます。

例文

  • I will call you tomorrow.(明日電話します。)
    • 未来の行動を示しています。
  • She will help us with the project.(彼女はプロジェクトを手伝ってくれるだろう。)
    • 意図・意思を示しています。
  • It will rain tomorrow.(明日は雨が降るだろう。)
    • 予測を示しています。
  • We will finish the report by tonight.(私たちは今夜までにレポートを終えるつもりです。)
    • 約束を示しています。

否定文での使い方

Will の否定形は will not または縮約形の won’t で表現されます。

何かをしない未来の行動や、起こらない未来の出来事を示します。

例文

  • I will not go to the party.(私はパーティーに行かない。)
    • 未来の行動の否定を示しています。
  • She won’t agree with this plan.(彼女はこの計画に賛成しないだろう。)
    • 意図・意思の否定を示しています。
  • It won’t snow tonight.(今夜は雪が降らないだろう。)
    • 予測の否定を示しています。
  • We will not miss the deadline.(私たちは締め切りを守る。)
    • 約束の否定を示しています。

疑問文での使い方

Will を使った疑問文は、未来の行動や意思、予測、約束を尋ねる場合に使用されます。

例文

  • Q: Will you come to the meeting?(あなたは会議に来ますか?)
    • A: Yes, I will.(はい、行きます。)
    • A: No, I won’t.(いいえ、行きません。)
  • Q: Will it be sunny tomorrow?(明日は晴れますか?)
    • A: Yes, it will.(はい、晴れるでしょう。)
    • A: No, it won’t.(いいえ、晴れないでしょう。)
  • Q: Will she help us with the project?(彼女はプロジェクトを手伝ってくれますか?)
    • A: Yes, she will.(はい、手伝ってくれるでしょう。)
    • A: No, she won’t.(いいえ、手伝ってくれないでしょう。)
  • Q: Will they finish the report by tonight?(彼らは今夜までにレポートを終えますか?)
    • A: Yes, they will.(はい、終えるでしょう。)
    • A: No, they won’t.(いいえ、終えないでしょう。)

Willを使った慣用表現

例文

  • Will do: 任せてください、やります
    • Sure, I will do it.(もちろん、やります。)
  • Willing to: ~する意思がある
    • She is willing to help.(彼女は手伝う意思がある。)
  • Won’t have to: ~する必要がない
    • You won’t have to worry about it.(あなたはそれについて心配する必要がない。)
  • It will be worth it: それは価値があるだろう
    • All the effort will be worth it.(すべての努力は価値があるだろう。)
  • Willpower: 意志力、やる気
    • You need willpower to succeed.(成功するためには意志力が必要だ。)

助動詞:Would

Would は、英語の助動詞の一つで、主に仮定、依頼、丁寧な表現、未来の過去形、繰り返しの動作を表現するために使われます。

Will の過去形としても使用されますが、異なるニュアンスを持ちます。

基本的な構造は 主語 + would + 動詞の原形 で表現されます。

willの過去形とは?

Would は確かに will の過去形として使われますが、実際にはいくつかの異なる用法があります。

この用法が「未来の過去形」として説明されることがあるため、混乱しやすいです。

未来の過去形

ある時点で未来に起こるとされたことを過去視点から述べる場合に would が使われます。

例文

  • He said he would call me tomorrow.(彼は「明日電話するだろう」と言った。)
    • この文では「彼が電話する」という未来の出来事を過去の視点(彼が言った時点)から述べています。

仮定法

何かが起こる可能性があるが、実際には起こらないことを仮定する場合に would が使われます。

例文

  • If I had enough money, I would travel the world.(もしお金が十分あれば、世界中を旅行するだろう。)
    • これは現実には起こらないことを仮定して述べています。

丁寧な依頼や提案

丁寧に依頼や提案をする場合に would が使われます。

例文

  • Would you pass the salt, please?(塩を取っていただけますか?)

繰り返しの過去の行動

過去に繰り返し行われた行動を表現する場合に would が使われます。

例文

  • When we were kids, we would play outside for hours.(子供の頃、私たちは何時間も外で遊んだものだ。)

つまり、would は「過去の時点から見た未来」や「仮定的な状況」、または「過去の習慣」を示すために使われるため、「will の過去形」と表現されるのです。

これが、未来形と過去形が結びつく理由です。

Wouldが表現できる意味

  • 仮定: 何かが起こる可能性がある場合に使います。
  • 依頼: 丁寧な依頼やお願いをする場合に使います。
  • 丁寧な表現: 丁寧な提案や質問をする場合に使います。
  • 未来の過去形: 過去の時点での未来の出来事を表現します。
  • 繰り返しの動作: 過去に繰り返し行われた動作を示します。

Wouldの使い方

肯定文での使い方

Would を使った肯定文は、仮定、依頼、丁寧な表現、未来の過去形、繰り返しの動作を示す場合に使用されます。

例文

  • If I had enough money, I would travel the world.(もしお金が十分あれば、世界中を旅行するだろう。)
    • 仮定を示しています。
  • Would you pass the salt, please?(塩を取っていただけますか?)
    • 依頼を示しています。
  • I would like a cup of tea.(お茶を一杯いただきたいのですが。)
    • 丁寧な表現を示しています。
  • He said he would call me tomorrow.(彼は明日電話するだろうと言った。)
    • 未来の過去形を示しています。
  • When we were kids, we would play outside for hours.(子供の頃、私たちは何時間も外で遊んだものだ。)
    • 繰り返しの動作を示しています。

否定文での使い方

Would の否定形は would not または縮約形の wouldn’t で表現されます。何かが起こらない可能性や、行われない行動を示します。

例文

  • If it rained, we wouldn’t go hiking.(もし雨が降ったら、ハイキングに行かないだろう。)
    • 仮定の否定を示しています。
  • He wouldn’t answer my calls.(彼は私の電話に出なかった。)
    • 行動の否定を示しています。
  • They wouldn’t agree with our proposal.(彼らは私たちの提案に同意しなかった。)
    • 意見の否定を示しています。
  • She said she wouldn’t be late.(彼女は遅刻しないと言った。)
    • 未来の過去形の否定を示しています。
  • When it was hot, we wouldn’t stay inside.(暑い時、私たちは家の中に留まらなかった。)
    • 繰り返しの動作の否定を示しています。

疑問文での使い方

Would を使った疑問文は、依頼や提案、仮定を尋ねる場合に使用されます。

例文

  • Q: Would you like some coffee?(コーヒーはいかがですか?)
    • A: Yes, please.(はい、お願いします。)
    • A: No, thank you.(いいえ、結構です。)
  • Q: Would you help me with this?(これを手伝っていただけますか?)
    • A: Sure, I’d be happy to help.(もちろん、喜んで手伝います。)
    • A: Sorry, I can’t right now.(ごめんなさい、今はできません。)
  • Q: Would he come to the party if invited?(招待されたら、彼はパーティーに来るでしょうか?)
    • A: Yes, he would.(はい、来るでしょう。)
    • A: No, he wouldn’t.(いいえ、来ないでしょう。)
  • Q: Would it be okay if I brought a friend?(友達を連れてきてもいいですか?)
    • A: Yes, that would be fine.(はい、大丈夫です。)
    • A: No, I would prefer if you didn’t.(いいえ、できれば控えてほしいです。)

Wouldを使った慣用表現

例文

  • Would like to: ~したい
    • I would like to speak to the manager.(マネージャーと話したいのですが。)
  • Would rather: むしろ~したい
    • I would rather stay home tonight.(今夜はむしろ家にいたい。)
  • Would you mind: ~していただけますか
    • Would you mind closing the door?(ドアを閉めていただけますか?)
  • Would prefer: ~の方を好む
    • I would prefer to go by train.(電車で行く方がいいです。)
  • Would have: ~しただろう(仮定法過去完了)
    • I would have called you, but I lost my phone.(電話しただろうが、電話をなくした。)

助動詞フレーズ:Be going to

Be going to は、英語の未来表現の一つで、主に未来の計画や意図、予測を表現するために使われます。

意図や確実な未来の出来事を述べる際に使用されます。

基本的な構造は 主語 + be 動詞 + going to + 動詞の原形 で表現されます。

Be going toが表現できる意味

  • 未来の計画: すでに決定された未来の行動を示します。
  • 意図: 何かをする意志や計画を示します。
  • 予測: 未来についての予測を示します。

Be going toの使い方

肯定文での使い方

Be going to を使った肯定文は、未来の計画、意図、予測を示す場合に使用されます。

例文

  • I am going to study tonight.(私は今夜勉強するつもりです。)
    • 未来の計画を示しています。
  • She is going to visit her grandmother next week.(彼女は来週おばあさんを訪問する予定です。)
    • 意図を示しています。
  • It’s going to rain tomorrow.(明日は雨が降るでしょう。)
    • 予測を示しています。
  • We are going to move to a new house.(私たちは新しい家に引っ越す予定です。)
    • 未来の計画を示しています。

否定文での使い方

Be going to の否定形は be not going to で表現されます。何かをしない未来の計画や、起こらない未来の出来事を示します。

例文

  • I am not going to eat dinner tonight.(私は今夜夕食を食べない予定です。)
    • 未来の計画の否定を示しています。
  • She is not going to attend the meeting.(彼女は会議に出席しない予定です。)
    • 意図の否定を示しています。
  • It is not going to snow today.(今日は雪が降らないでしょう。)
    • 予測の否定を示しています。
  • We are not going to buy a new car.(私たちは新しい車を買うつもりはありません。)
    • 未来の計画の否定を示しています。

疑問文での使い方

Be going to を使った疑問文は、未来の行動や意思、予測を尋ねる場合に使用されます。

例文

  • Q: Are you going to the party tonight?(今夜のパーティーに行く予定ですか?)
    • A: Yes, I am.(はい、行く予定です。)
    • A: No, I am not.(いいえ、行く予定はありません。)
  • Q: Is she going to join us for dinner?(彼女は夕食に参加する予定ですか?)
    • A: Yes, she is.(はい、参加する予定です。)
    • A: No, she is not.(いいえ、参加する予定はありません。)
  • Q: Is it going to be sunny tomorrow?(明日は晴れるでしょうか?)
    • A: Yes, it is.(はい、晴れるでしょう。)
    • A: No, it is not.(いいえ、晴れないでしょう。)
  • Q: Are they going to finish the project on time?(彼らはプロジェクトを時間通りに終える予定ですか?)
    • A: Yes, they are.(はい、終える予定です。)
    • A: No, they are not.(いいえ、終える予定はありません。)

Be going toを使った慣用表現

例文

  • I’m going to: ~するつもり
    • I’m going to watch a movie tonight.(今夜映画を見るつもりです。)
  • She’s going to: ~する予定
    • She’s going to start a new job next month.(彼女は来月新しい仕事を始める予定です。)
  • It’s not going to: ~しない予定
    • It’s not going to happen.(それは起こらない予定です。)
  • We’re going to: ~する計画
    • We’re going to travel to Europe this summer.(今年の夏にヨーロッパを旅行する計画です。)
  • They’re going to: ~する予定
    • They’re going to renovate their house.(彼らは家を改装する予定です。)

WillとBe going toの使い分け

WillBe going to の主な違いは、その使用される文脈とニュアンスにあります。

  • 意図の即時性: Will はその場での決定や申し出に対して使われることが多いのに対し、Be going to はすでに決まっている計画や意図を表すのに使われます。
  • 予測の根拠: Will は予測を一般的に表すのに対し、Be going to は状況や証拠に基づく予測を表します。
例文

  • A: What will you do this weekend?(今週末は何をする予定ですか?)
    • B: I will probably go to the beach.(おそらくビーチに行くでしょう。)
  • A: What are you going to do this weekend?(今週末は何をする予定ですか?)
    • B: I am going to visit my grandparents.(祖父母を訪問する予定です。)

続きます

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