第19章:助動詞を学ぶ②

助動詞は、英語の文法において非常に重要な役割を果たします。

主動詞の前に置かれることで、動詞の意味に追加の情報を付加し、文の意味を細かく調整することができます。

助動詞は、可能性、義務、意図、許可、推量、依頼など、様々なニュアンスを表現するために使われます。

この章では、各助動詞の基本的な使い方とそのニュアンスを詳しく解説し、実際の例文を通じて理解を深めていきます。

助動詞の使い方をマスターすることで、より自然で正確な英語表現が可能となり、コミュニケーション力が一層向上することでしょう。

当サイトではEverGreenに準拠して記事を作成しております。

助動詞とは?

助動詞(auxiliary verbsまたはmodals)は、主動詞の前に置かれて動詞の意味を補助し、文に追加の意味やニュアンスを付け加える役割を果たします。

助動詞は動詞の時間・可能性・義務・許可・意図・推量など、さまざまな意味合いを表現するために使われます。

なぜ助動詞があるのか?

助動詞が存在する理由は、英語での表現力を豊かにするためです。

主動詞だけでは表現しきれない意味やニュアンスを助動詞が補完することで、より正確で微妙な意味を伝えることができるようになります。

例文

  • I go to the gym.(私はジムに行く。)
    • これは単なる事実を述べている文です。
  • I can go to the gym.(私はジムに行くことができる。)
    • 助動詞「can」が動詞「go」の前に置かれることで、「行くことができる」という可能性を示しています。
  • I must go to the gym.(私はジムに行かなければならない。)
    • 助動詞「must」が動詞「go」の前に置かれることで、「行かなければならない」という義務を示しています。

助動詞の使い分けについて

じつは、助動詞には1つ1つ基本イメージというものがあり、そこからさまざまな意味が生まれています。

そのため、1つ1つイメージがあるためお互いに「縄張り」があるため、似たような表現が複数ある場合は使い分ける必要があります。

たとえば自宅に遊びに来た友達が帰宅した場合を考えてみよう。

例文

  • My friend should be home in the afternoon.

    • 午後には私の友達は帰宅しているだろう。
  • My friend must be home in the afternoon.
    • 午後には私の友達は帰宅しているにちがいない。

いずれの文章も帰宅したことを表現しているが、前者は「帰宅してるんだろうなぁ」という含みがあり、後者は「間違いなく帰宅している」ということを伝えています。

このように場面や意味に応じた使い分けを確認する必要があるのが助動詞です。

いかでは助動詞の種類について解説していきます。

助動詞:Must

Must は、英語の助動詞の一つで、主に強い義務や必要性、確信を表現するために使われます。

非常に強い意味を持つため、何かを強く主張したり、何かが確実であると信じている場合に使われます。

基本的な構造は 主語 + must + 動詞の原形 で表現されます。

Mustが表現できる意味

  • 義務: 何かをしなければならないことを示します。
  • 必要性: 何かが必要であることを示します。
  • 確信: 何かが確実であることを強調します。

Mustの使い方

肯定文での使い方

Must を使った肯定文は、義務や必要性、確信を示す場合に使用されます。

例文

  • You must wear a seatbelt.(シートベルトを着用しなければならない。)
    • 義務を示しています。
  • We must finish this project by tomorrow.(明日までにこのプロジェクトを終えなければならない。)
    • 必要性を示しています。
  • He must be tired after such a long journey.(そんなに長い旅の後で彼は疲れているに違いない。)
    • 確信を示しています。

否定文での使い方

Must の否定形は must not または縮約形の mustn’t で表現されます。何かをしてはいけない、強く禁止することを示します。

例文

  • You must not smoke here.(ここでタバコを吸ってはいけない。)
    • 義務の否定(禁止)を示しています。
  • Students must not be late for class.(生徒は授業に遅れてはいけない。)
    • 義務の否定(禁止)を示しています。
  • He must not know about this secret.(彼はこの秘密を知ってはいけない。)
    • 確信の否定を示しています。

疑問文での使い方

Must を使った疑問文は、強い必要性や義務を尋ねる場合に使用されます。

例文

  • Q: Must I do it right now?(今すぐそれをしなければならないですか?)
    • A: Yes, you must.(はい、しなければなりません。)
    • A: No, you don’t have to.(いいえ、その必要はありません。)
  • Q: Must we finish this today?(今日これを終わらせなければなりませんか?)
    • A: Yes, we must.(はい、終わらせなければなりません。)
    • A: No, we don’t have to.(いいえ、その必要はありません。)
  • Q: Must he attend the meeting?(彼は会議に出席しなければならないですか?)
    • A: Yes, he must.(はい、出席しなければなりません。)
    • A: No, he doesn’t have to.(いいえ、その必要はありません。)
  • Q: Must they follow these rules?(彼らはこれらの規則に従わなければならないですか?)
    • A: Yes, they must.(はい、従わなければなりません。)
    • A: No, they don’t have to.(いいえ、その必要はありません。)

Mustを使った慣用表現

例文

  • Must-see: 必見のもの
    • This movie is a must-see.(この映画は必見です。)
  • Must-do: 必ずやるべきこと
    • Visiting the Eiffel Tower is a must-do in Paris.(エッフェル塔を訪れることは、パリで必ずやるべきことです。)
  • Must-have: 必需品
    • This gadget is a must-have for tech enthusiasts.(このガジェットは技術愛好家にとって必需品です。)
  • Must-read: 必読の
    • This book is a must-read for anyone interested in history.(この本は歴史に興味がある人にとって必読です。)
  • Mustn’t grumble: 不平を言ってはいけない(不平を言うほどのことではない)
    • Life is tough, but we mustn’t grumble.(人生は厳しいが、不平を言ってはいけない。)

準助動詞:Have to

Have to は、英語の助動詞フレーズの一つで、主に義務や必要性を表現するために使われます。

Must と似ていますが、より一般的でカジュアルな表現です。

基本的な構造は 主語 + have to + 動詞の原形 で表現されます。三人称単数の場合は has to を使用します。

Have toが表現できる意味

  • 義務: 何かをしなければならないことを示します。
  • 必要性: 何かが必要であることを示します。

Have toの使い方

肯定文での使い方

Have to を使った肯定文は、義務や必要性を示す場合に使用されます。

例文

  • I have to finish my homework.(宿題を終わらせなければならない。)
    • 義務を示しています。
  • She has to leave early tomorrow.(彼女は明日早く出発しなければならない。)
    • 義務を示しています。
  • We have to be careful.(私たちは注意しなければならない。)
    • 必要性を示しています。
  • They have to meet the deadline.(彼らは締め切りを守らなければならない。)
    • 必要性を示しています。

否定文での使い方

Have to の否定形は do not have to または does not have to で表現されます。

何かをする必要がない、または義務がないことを示します。

例文

  • I do not have to work tomorrow.(明日は仕事をしなくてもよい。)
    • 義務の否定を示しています。
  • She does not have to attend the meeting.(彼女は会議に出席する必要はない。)
    • 義務の否定を示しています。
  • We do not have to worry about it.(私たちはそれについて心配する必要はない。)
    • 必要性の否定を示しています。
  • They do not have to follow these rules.(彼らはこれらの規則に従う必要はない。)
    • 必要性の否定を示しています。

疑問文での使い方

Have to を使った疑問文は、義務や必要性を尋ねる場合に使用されます。

例文

  • Q: Do I have to finish my homework tonight?(今夜宿題を終わらせなければならないですか?)
    • A: Yes, you do.(はい、そうです。)
    • A: No, you don’t.(いいえ、そうではありません。)
  • Q: Does she have to leave early tomorrow?(彼女は明日早く出発しなければならないですか?)
    • A: Yes, she does.(はい、そうです。)
    • A: No, she doesn’t.(いいえ、そうではありません。)
  • Q: Do we have to be careful?(私たちは注意しなければならないですか?)
    • A: Yes, we do.(はい、そうです。)
    • A: No, we don’t.(いいえ、そうではありません。)
  • Q: Do they have to meet the deadline?(彼らは締め切りを守らなければならないですか?)
    • A: Yes, they do.(はい、そうです。)
    • A: No, they don’t.(いいえ、そうではありません。)

Have toを使った慣用表現

例文

  • Have to do with: ~に関係がある
    • This has to do with your previous job.(これはあなたの前職に関係があります。)
  • Have got to: 必ず~しなければならない
    • I’ve got to see this movie.(この映画を必ず見なければならない。)
  • Have no choice but to: ~するほかない
    • We have no choice but to accept the offer.(私たちはその申し出を受け入れるほかない。)
  • Have to hand it to: ~を称賛せざるを得ない
    • You have to hand it to her; she’s done a great job.(彼女を称賛せざるを得ない。彼女は素晴らしい仕事をした。)
  • Have yet to: まだ~していない
    • I have yet to receive a response.(まだ返事を受け取っていない。)

助動詞:Should

Should は、英語の助動詞の一つで、主に助言、推奨、義務、可能性などを表現するために使われます。話し手の意見や考えを伝えるために頻繁に使用されます。

基本的な構造は 主語 + should + 動詞の原形 で表現されます。

Shouldが表現できる意味

Should は以下のような意味を持ちます:

  • 助言: 何かをすることを助言する場合に使います。
  • 推奨: 何かを強く推奨する場合に使います。
  • 義務: 何かをするべきであることを示します。
  • 可能性: 何かが起こる可能性があることを示します。

Shouldの使い方

肯定文での使い方

Should を使った肯定文は、助言、推奨、義務、可能性を示す場合に使用されます。

例文

  • You should see a doctor.(医者に診てもらうべきだ。)
    • 助言を示しています。
  • He should study harder.(彼はもっと一生懸命勉強するべきだ。)
    • 推奨を示しています。
  • We should follow the rules.(私たちは規則に従うべきだ。)
    • 義務を示しています。
  • It should rain tomorrow.(明日は雨が降るはずだ。)
    • 可能性を示しています。

否定文での使い方

Should の否定形は should not または縮約形の shouldn’t で表現されます。何かをするべきではないことを示します。

例文

  • You should not eat too much junk food.(ジャンクフードを食べすぎるべきではない。)
    • 助言の否定を示しています。
  • He should not ignore his responsibilities.(彼は責任を無視するべきではない。)
    • 推奨の否定を示しています。
  • We shouldn’t break the rules.(私たちは規則を破るべきではない。)
    • 義務の否定を示しています。
  • It shouldn’t take long.(時間がかかるはずがない。)
    • 可能性の否定を示しています。

疑問文での使い方

Should を使った疑問文は、助言や義務を尋ねる場合に使用されます。

例文

  • Q: Should I call her now?(今彼女に電話するべきですか?)
    • A: Yes, you should.(はい、するべきです。)
    • A: No, you shouldn’t.(いいえ、するべきではありません。)
  • Q: Should we bring anything to the party?(パーティーに何か持っていくべきですか?)
    • A: Yes, you should.(はい、持っていくべきです。)
    • A: No, you shouldn’t.(いいえ、持っていくべきではありません。)
  • Q: Should he apologize for his mistake?(彼は自分のミスを謝るべきですか?)
    • A: Yes, he should.(はい、謝るべきです。)
    • A: No, he shouldn’t.(いいえ、謝るべきではありません。)
  • Q: Should it be finished by tomorrow?(それは明日までに終えるべきですか?)
    • A: Yes, it should.(はい、終えるべきです。)
    • A: No, it shouldn’t.(いいえ、終えるべきではありません。)

Shouldを使った慣用表現

例文

  • Should have: ~するべきだった(過去の後悔)
    • I should have studied harder.(もっと一生懸命勉強するべきだった。)
  • Shouldn’t have: ~するべきではなかった(過去の後悔)
    • You shouldn’t have said that.(あなたはそれを言うべきではなかった。)
  • Should be: ~であるべき
    • This should be easy.(これは簡単なはずだ。)
  • Shouldn’t be: ~であるべきではない
    • It shouldn’t be a problem.(それは問題であるべきではない。)
  • Why should: なぜ~するべきなのか
    • Why should I trust him?(なぜ彼を信頼するべきなのか?)

助動詞:Ought to

Ought to は、英語の助動詞の一つで、主に助言、義務、推奨を表現するために使われます。

Should と似ていますが、ought to はややフォーマルで堅い表現です。

基本的な構造は 主語 + ought to + 動詞の原形 で表現されます。

Ought toが表現できる意味

  • 助言: 何かをすることを助言する場合に使います。
  • 義務: 何かをするべきであることを示します。
  • 推奨: 何かを強く推奨する場合に使います。

Ought toの使い方

肯定文での使い方

Ought to を使った肯定文は、助言、義務、推奨を示す場合に使用されます。

例文

  • You ought to see a doctor.(医者に診てもらうべきだ。)
    • 助言を示しています。
  • He ought to study harder.(彼はもっと一生懸命勉強するべきだ。)
    • 義務を示しています。
  • We ought to follow the rules.(私たちは規則に従うべきだ。)
    • 推奨を示しています。
  • It ought to be finished by now.(それはもう終わっているはずだ。)
    • 推量を示しています。

否定文での使い方

Ought to の否定形は ought not to で表現されます。何かをするべきではないことを示します。

例文

  • You ought not to eat too much junk food.(ジャンクフードを食べすぎるべきではない。)
    • 助言の否定を示しています。
  • He ought not to ignore his responsibilities.(彼は責任を無視するべきではない。)
    • 義務の否定を示しています。
  • We ought not to break the rules.(私たちは規則を破るべきではない。)
    • 推奨の否定を示しています。
  • It ought not to take long.(それは時間がかかるはずがない。)
    • 推量の否定を示しています。

疑問文での使い方

Ought to を使った疑問文は、助言や義務を尋ねる場合に使用されます。

例文

  • Q: Ought I to call her now?(今彼女に電話するべきですか?)
    • A: Yes, you ought to.(はい、するべきです。)
    • A: No, you ought not to.(いいえ、するべきではありません。)
  • Q: Ought we to bring anything to the party?(パーティーに何か持っていくべきですか?)
    • A: Yes, you ought to.(はい、持っていくべきです。)
    • A: No, you ought not to.(いいえ、持っていくべきではありません。)
  • Q: Ought he to apologize for his mistake?(彼は自分のミスを謝るべきですか?)
    • A: Yes, he ought to.(はい、謝るべきです。)
    • A: No, he ought not to.(いいえ、謝るべきではありません。)
  • Q: Ought it to be finished by now?(それはもう終わっているべきですか?)
    • A: Yes, it ought to.(はい、終わっているべきです。)
    • A: No, it ought not to.(いいえ、終わっているべきではありません。)

Ought toを使った慣用表現

例文

  • Ought to have: ~すべきだった(過去の後悔)
    • You ought to have come to the meeting.(あなたは会議に来るべきだった。)
  • Ought not to have: ~すべきではなかった(過去の後悔)
    • He ought not to have said that.(彼はそれを言うべきではなかった。)
  • Ought to be: ~であるべき
    • This ought to be easy.(これは簡単なはずだ。)
  • Ought not to be: ~であるべきではない
    • It ought not to be a problem.(それは問題であるべきではない。)
  • Why ought: なぜ~するべきなのか
    • Why ought we to trust him?(なぜ私たちは彼を信頼するべきなのか?)

助動詞:Had better

Had better は、英語の助動詞の一つで、強い忠告や緊急性を表現するために使われます。

Shouldought to よりも強い意味を持ち、何かをしなければならない、さもないと悪い結果が生じる可能性がある場合に使われます。

基本的な構造は 主語 + had better + 動詞の原形 で表現されます。

Had betterが表現できる意味

  • 強い忠告: 何かをしなければならないことを強調します。
  • 緊急性: 緊急に何かをする必要がある場合に使います。
  • 否定的な結果を避けるための必要性: 何かをしないと悪い結果が生じる可能性があることを示します。

Had betterの使い方

肯定文での使い方

Had better を使った肯定文は、強い忠告や緊急性を示す場合に使用されます。

例文

  • You had better see a doctor.(医者に診てもらった方がいい。)
    • 強い忠告を示しています。
  • We had better leave now.(今すぐ出発した方がいい。)
    • 緊急性を示しています。
  • He had better apologize.(彼は謝った方がいい。)
    • 強い忠告を示しています。
  • They had better finish the report by tomorrow.(彼らは明日までにレポートを終えた方がいい。)
    • 否定的な結果を避けるための必要性を示しています。

否定文での使い方

Had better の否定形は had better not で表現されます。何かをしてはいけない、さもないと悪い結果が生じる可能性があることを示します。

例文

  • You had better not eat that.(それを食べない方がいい。)
    • 強い忠告の否定を示しています。
  • We had better not be late.(遅れない方がいい。)
    • 緊急性の否定を示しています。
  • He had better not say anything.(彼は何も言わない方がいい。)
    • 強い忠告の否定を示しています。
  • They had better not make any mistakes.(彼らはミスをしない方がいい。)
    • 否定的な結果を避けるための必要性を示しています。

疑問文での使い方

Had better は通常疑問文としては使われません。忠告や緊急性を示すための表現なので、肯定文や否定文で使うことが一般的です。

Had betterを使った慣用表現

例文

  • You’d better: ~した方がいい(縮約形)
    • You’d better be careful.(気をつけた方がいい。)
  • We’d better: ~した方がいい(縮約形)
    • We’d better hurry up.(急いだ方がいい。)
  • He’d better: ~した方がいい(縮約形)
    • He’d better not make any excuses.(彼は言い訳をしない方がいい。)
  • They’d better: ~した方がいい(縮約形)
    • They’d better complete the task on time.(彼らは期限内にタスクを完了した方がいい。)
  • You’d better not: ~しない方がいい(縮約形の否定)
    • You’d better not drive if you’re tired.(疲れているなら運転しない方がいい。)

続きます

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